エータ・カリーナを取り巻くU字型リング
【1999年10月8日 NASA Today ・Chandra X-ray Observatory Center】
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謎に満ちたエータ・カリーナ星雲の中心部をチャンドラX線宇宙望遠鏡が捉えた。ハッブル宇宙望遠鏡が捉えた泡状構造からは想像もできない3層の構造が浮かび上がってきた。中心には6000万度を超す高温の塊があり、その外側の半径0.25光年以内の領域にはやや低温のコアが、そして外側には馬の蹄鉄のような形をした直径2光年程度のU字型構造が明らかになった。 ・可視光(ハッブル宇宙望遠鏡)、赤外線、電波画像との比較など(左図)チャンドラX線宇宙望遠鏡によるエータ・カリーナ中心部。色は温度を反映しており、高温部が青、低温部が赤を表す。 |
エータ・カリーナはシリウスの8倍も遠い地球から7500光年の位置にあるにもかかわらず、1837から1856年にかけてシリウスに匹敵するくらい明るくなったことが記録されている。このとき放出されたエネルギーは超新星爆発に匹敵すると推測されているが、星はまだ存在しており、1940年以降再び増光を始め、現在は肉眼でも見られるようになっている。これまでの研究によると、エータ・カリーナは私たちの銀河系の中でもっとも明るい星の一つであり、太陽の百倍程度の質量をもっている。超新星爆発へ至る直前の状態にある星と考えられている。
<ニュースソース>・Chandra Takes X-ray Imageof Repeat Offender (NASA Space Science News)
・SHOCKING DETAILS OF SUPERSTAR'S ACTIVITY REVEALED (Chandra X-ray Observatory Center) エータカリーナ星雲の概略位置なども掲載
<参考ニュース>
・月面着陸30周年の日、X線天文台が宇宙へ
・チャンドラの初仕事、「カシオペヤ座A」の観測
・チャンドラX線望遠鏡による画像集
・かに星雲中のパルサーを取り巻くリング