ガリレオ探査機によるイオ&エウロパの最新画像
【2000年4月21日 NASA JPL Picture Archive】
木星探査機ガリレオによりとらえられた新たな画像が公開された。これは昨年末のエウロパ・フライバイ、および今年2月のイオ・フライバイのときに撮影されたもの。
(画像1) エウロパの木星向きの半球のこれまでで最高解像度の画像。搭載カメラによる白黒写真と、近赤外線地図化分光器(near-infrared mapping spectrometer)のデータを合成したもの。カラーの部分は400km×400km程度の領域。1999年12月25日の撮影。
分光データから、エウロパの地表が場所によりさまざまな組成を持っていることが明らかにされた。エウロパは、自転周期と木星周りの公転周期が同じ3.55日であり、常に同じ面を木星に向けている。
(画像2) イオの溶岩流。上部の白黒画像には、地球ハワイ・キラウェア山のものと似た溶岩流の様子をとらえている。解像度は、1画素あたり7m程度で、イオをとらえた画像の中ではこれまでで最高解像度のもののひとつ。2本の黒線は、地球へのデータ送信の際に失われてしまった部分。2000年2月22日、600kmの距離からの撮影で、中央は北緯11.9度、西経157.6度の部分。画像上が北、太陽光は右から。
下部の低解像度(1画素あたり185m)合成カラー画像は、Chaacと呼ばれるカルデラを流れる溶岩の様子をとらえている。カルデラは、火山の噴火の際に陥没した部分。ここにとらえられているカルデラは100km×30km程度の大きさ。その北東(画像では右上)のがけは2.8km程度の高さと見積もられている。この画像は、2000年2月22日、18,800kmの距離から撮影された白黒画像と、1999年7月3日、130,000kmの距離から撮影されたより低解像度(1画素あたり1.3km)のカラー画像を合成したもの。画像中央は北緯11.6度、西経157.7度の部分。画像上が北、太陽光は左から。
(画像3) イオ南極付近の合成カラー画像。カルデラ、溶岩流、崖が見られる。この画像は、2000年2月22日に34,000kmの距離から撮影された白黒画像(1画素あたり350m)と、1999年7月3日に130,000kmの距離から撮影された低解像度カラー画像(1画素あたり1.3km)を合成したもの。画像中央は南緯53.8度、西経117.1度、画像上が北。太陽光は白黒画像では左上方から、カラー画像ではほぼ真後ろから。
3ヶ所ある黒い部分は10〜20km程度の大きさの小さなカルデラ。黒いのは、新しい溶岩流で満たされているため。うち2つは拡散した黒っぽい物質で囲まれているが、これは爆発性の噴火によりカルデラから投げ出されたのかもしれない。
白い部分は二酸化硫黄の霜と考えられる。これらは崖の周りに集中しているが、これは崖の底から液体の二酸化硫黄がしみ出し、気化して噴出、やがて液体と固体の混じった状態で落下し、地表に霜として付着したのかもしれない。
より高解像度の画像は、上記ニュースリーソースのリンクを参照されたい。
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