地球近傍小惑星は定説よりずっと多い?
【2000年10月27日 BBC News (2000.10.24)】
故ユージン・シューメーカー博士が近年発表した推測によると、地球に接近する軌道を持ち万一地球に衝突した際に地球規模の災害を引き起こす危険性をはらむ小惑星の数は750個〜900個であるといわれている。しかし、アメリカ・マサチューセッツ大学のチームの新たな推測によると、その数は少なくとも1100個以上であり、シューメーカー博士の推測を20%以上も上回るという。カリフォルニア州で開催されたアメリカ天文学会の会合で発表された。
シューメーカー博士の推測は、月面のクレーターの分析に基づくものだが、今回のマサチューセッツ大学のチームによる推測は、LINEAR (リンカーン地球近傍小惑星捜索) プロジェクトによる地球近傍小惑星発見数に基づくものである。
直径1キロメートル以上の小惑星が地球に衝突した場合、地球規模の災害になるといわれる。衝突の回避または被害の低減のためには、わずかでも危険性をはらむ小惑星を早期に発見し、その軌道を監視することが必要だが、そのまえにまずは危険性をはらむ小惑星がどの程度存在するのかをできるだけ正確に見積もることが重要となる。
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