スターダスト探査機、月を撮影

【2001年1月24日 NASA JPL STARDUST News (2001.01.17)

1月15日に地球をスイングバイ (重力を利用した加速と軌道変更) したNASAの宇宙探査機「スターダスト」はその後すぐ月の北極上空を通過 (最接近時の距離はおよそ10万8000キロメートル) し、その際、カメラの調整のため23枚の月面画像を撮影した。

スターダスト探査機が撮影した月

画像はそのうちの一枚で、月の北極のほぼ真上から撮影されたもの。この画像は、コントラスト強調処理のみを施した、ほとんど生のままの画像だ。画像全体がぼやけ、月の周囲にぼんやりとした「ハロ」が生じているのは、カメラの光学系が曇ってしまっているため。

スターダストは、長くこの曇りに悩まされてきた。この曇りは、おそらく打ち上げのすぐ後に、探査機内部の温かい機器の部分で気化したガスが、冷たいカメラレンズやCCDセンサーに結露したためと考えられたため、カメラをヒーターや太陽光などを利用して暖めることにより、結露を除去しようという対策が続けられてきた。その結果、曇りはかなり改善されたものの、まだ完全ではなく、今後再び同様の対策を行なうことが必要かもしれない。

1999年2月に打ち上げられた「スターダスト」は、惑星間や彗星近辺の物質サンプルを回収し地球に送り届ける (=サンプルリターン) 初めての探査機。同探査機は、2004年2月初めにWild-2彗星に接近、彗星ダストの収集を行ない、2006年には再び地球に接近、サンプルの入ったカプセルを地表に送り届ける予定となっている。

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