アメリカ宇宙開発史上100回目の船外活動が実施された
【2001年2月16日 NASA STS-98ステータスリポート (NASDA訳) #15〜#17 (2001.02.14〜15)】
国際宇宙ステーション (ISS) にドッキング中のスペースシャトル・アトランティス号 (STS-98/国際宇宙ステーション組み立てフライト5A) のクルーはアメリカ時間2月14日 (飛行8日目)、今回のミッションで3回目となる船外活動 (EVA) にのぞんだ。今回のEVAは、アメリカの宇宙開発史上100回目 (アポロ計画での月面上でのEVAを含む) となる記念すべきものだった。シャトル史上では60回目。
今回のEVAは、ボブ・カービームとトム・ジョーンズの両宇宙飛行士により、アメリカ中部標準時間午前08時48分〜午後02時13分 (日本時間14日午後11時48分〜15日午前05時13分) にかけて行なわれた。5時間25分にわたって行なわれたこのEVAで2名の宇宙飛行士は、ISS外部への通信アンテナの取り付け、今回のミッションで新たに取り付けられたアメリカ製実験棟「デスティニー」と、「デスティニー」に移設されたドッキングポートとの接続の確認、ISSのラジエータの固定具の解放、ISS上部の太陽電池パネルの接続の確認といった作業を順調にこなした。
このEVAでは、作業を一時中断し、100回のEVAを祝う時間が取られた。2名の宇宙飛行士はアトランティス号の貨物室で、100回のEVAを記念するプラカードを掲げながら、「この業績、黄金の記念日とも言うべきものを、船外活動を行った全ての人々に、またジェミニ、アポロ、スカイラブ、そしてシャトル計画の宇宙服を作ってくれた全ての人々に捧げます。全てのみなさんに敬意を表し、難しい仕事をこなしてくれたことに感謝します。」と述べた。
前回のEVAでは、作業が予定より早く進んだため、余った時間で今回のEVAで予定されていた作業の一部を行なっていた。したがって、今回のEVAも予定の作業を終えた時点で時間に余裕があり、その時間を利用して、宇宙空間に漂流し始めてしまったEVAクルーを他のEVAクルーが救助する手法の実験も行なわれた。
アトランティス号はアメリカ時間2月7日夕方 (日本時間2月8日昼) に打ち上げられ、飛行3日目のアメリカ中部標準時間2月9日10時51分 (日本時間2月10日午前1時51分)から国際宇宙ステーション (ISS) にドッキング中。ISSでは2000年11月初めから第1次滞在クルー3名の任務が続いており、シャトル・ISS双方のクルーが共同で作業を行なう機会も多い。
飛行9日目のアメリカ時間2月15日は、シャトル〜ISS間のハッチが終日解放され、双方のクルーは水や食料、予備のコンピュータ、衣服、映画のDVDソフトなど、約1350キログラムの補給品のISSへの搬入作業などを行なった。
アトランティス号は、飛行10日目のアメリカ中部標準時間16日午前8時6分(日本時間16日午後11時6分)にISSから分離し、飛行12日目のアメリカ時間18日に地球に帰還する予定。
第1次滞在クルーについては、アトランティス号の帰還の後も任務を続け、2001年3月のディスカバリー号 (STS-102/国際宇宙ステーション組み立てフライト5A.1) のフライトで第2次滞在クルーと交代する予定となっている。
<リンク>
- 国際宇宙ステーションの組立フライト 5A (NASDA)
- NASA TV (英文)
<関連ニュース>
- 2001.02.14 - ISS初の実験棟デスティニー取り付け成功
- 2001.02.08 - アトランティス号、ISSに向け出発 デスティニー取り付けへ