ジェネシス、太陽のサンプルの収集を開始
【2001年12月7日 JPL 2001 News Releases】
NASA JPL(ジェット推進研究所)の太陽探査機ジェネシスによる本格的な探査が 3 日から始まった。
ジェネシスは特殊な収集装置を使って太陽風に含まれる原子を集める。この原子は太陽系の素になった原始太陽系星雲の一部であると考えられており、地球や他の惑星が形成されるずっと以前の太陽系の状態についてより深く知るための手がかりになることが期待されている。
ジェネシスは、地球から太陽の方向に約 160 万 km 離れた地球と太陽の重力が釣り合う点を回るような軌道を周回している。先月 30 日にコレクタ・アレイ(収集装置)を外に出した後、3 日にコレクタ・アレイを花びらのように展開して太陽風の中の重元素を捕らえる作業に入った。この太陽風のサンプル収集は 2004 年 4 月まで続けられる予定で、その後 9 月にサンプルを持ち帰ってくる。
科学者たちによると、太陽風が発生している太陽の表面は太陽系が形成された時代の組成を保存しているということだ。ジェネシスが持ち帰ってくるサンプルを研究すれば太陽系の平均的な化学組成がこれまで以上によい精度でわかるだろう。さらに、現在の太陽系の多様性を生み出した進化過程についてもいくつか手がかりを与えてくれるのではないかと期待されている。