惑星誕生の場所に衝撃波領域が見つかった

【2002 年 1 月 17 日 JPL 2002 News Releases

オーウェンズバレー電波天文台の望遠鏡を使って惑星がどのように形成されるのかを調べていた研究者たちが、発展途上の星の周りにあるチリの円盤に衝撃波が発生しているようすを観測した。

(Lynds 1157 の周囲の原始星円盤の画像)

Lynds 1157 の周りに見られる原始星円盤(画像提供:JPL)

今回研究対象となったのは、地球から約 1300 光年離れた、ケフェウス座の方向にある水素を主成分とする分子雲 Lynds 1157 と呼ばれる領域にある原始星円盤である。原始星円盤とは若い星の周りに見られるガスやチリの円盤で、その周囲の星間雲にあるガスやチリから作られる。この円盤中の粒子が集まって惑星や彗星になると考えられている。

原始星円盤に周りの星間雲から物質が降ってくると、そこに衝撃波が起こることが以前から予測されていた。今回の衝撃波の発見で、実際に予測が正しいことがわかったわけである。衝撃波が起こって円盤が温められると、チリ粒子中に氷結し閉じ込められていたメタノールなどの物質が溶け出す。また、氷が気化するときに電波を発生するようになり、それが観測されるようになる。

メタノールが見つかったことは特に興味深いことだ。メタノールは星間空間や彗星の中に多く見つかっており、より複雑な分子を作るための基本となる化学物質だからである。惑星誕生の現場である原始星円盤中にメタノールが見つかったことで、星の周りで惑星が形成され始める過程の研究だけでなく、そこに形成された惑星に生命が誕生する条件などについての研究がさらに進むことが期待される。

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