タランチュラ星雲で繰り広げられる星の形成と進化のドラマ

【2002年4月24日 Chandra Photo Album

星形成領域として知られるタランチュラ星雲(毒蜘蛛星雲)をNASAのX線観測衛星チャンドラが撮影した画像が公開された。星々の形成や進化のようすが鮮明に写し出されている。

タランチュラ星雲。エネルギーの低いところは赤く、高いところは青く色づけられている。(提供:NASA / CXC / Penn State / L. Townsley et al.)

タランチュラ星雲はかじき座の方向にある「大マゼラン雲」という銀河中の星形成領域である。大マゼラン雲は我々の天の川銀河などと同じく局部銀河群のメンバーの1つで、およそ16万光年離れたところにある。このように近いところにあるので、スターバースト(爆発的な星形成)など、星の進化、さらには銀河の進化について詳しく調べることができるのだ。

この領域では、大質量の星が強烈な放射を放っていたり数百万度の焦げ付くような恒星風を吹き出したりしている。左側の図にはそのような大質量の星が少なくとも11個はあり、そのうちもっとも明るいものは太陽の130倍もの質量がある。

また、超新星爆発を起こして後にパルサーと超新星残骸を残す大質量製もある。超新星残骸はチリやガスでできた巨大な雲を圧縮して、新しい星の誕生を引き起こす。右側の図のリング状の部分は、そのような超新星残骸の一例である。また、中央下よりの明るい点は、有名な超新星1987Aである。

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