木星に11個の新衛星発見、計39個に

【2002年5月17日 University of Hawaii, Institute for Astronomy

ハワイ大学の研究者たちが、木星に新たに11個の新衛星を発見したと発表した。これで木星の衛星数は39個となり、30個の土星を抜いてトップになった。

研究グループは昨年12月中旬、ハワイのマウナケア山にある口径3.6mのカナダ・フランス・ハワイ望遠鏡を用いて観測を行ってこれらの天体を発見した。その後、ハワイ大学にある口径2.2mの望遠鏡で数ヶ月間観測を続け、確かに木星の衛星であることを確認した。新しい衛星はどれも、木星から2000万kmほど離れた長円軌道上を木星の自転の方向と逆方向に公転しているとのことだ。大きさは2km〜4kmと見積もられている。衛星の軌道が長円で木星の赤道面から大きく傾いていることから、これらの衛星は、木星がまだ若く形成途上にあった時に木星に捕獲されたものだと考えられている。

今回発見された衛星を含めて、木星の39個の衛星のうち31個がいびつな衛星である。このいびつな衛星はいくつかの別々の集団にグループ分けすることができるので、おそらく元となった天体がばらばらに破壊されて衛星になったのだと考えられる。今後さらに衛星の大きさや表面のようす、軌道などを調べることで、衛星がどのようにできあがったのかがわかってくるだろう。

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