チャンドラが撮影したティコの超新星残骸

【2002年9月9日 Chandra Photo Album

NASAのX線観測衛星チャンドラが撮影した、カシオペヤ座にある「ティコの超新星残骸」の画像が公開された。まるで「まりも」かタンポポの綿毛のように見える。

(ティコの超新星残骸の画像) (カシオペヤ座Aの画像)

ティコの超新星残骸(上)とカシオペヤ座A(下)。色の違いはエネルギーの違いを表しており、赤は低エネルギー、青は高エネルギーに対応(提供:NASA / CXC / SAO)

ティコの超新星残骸は、1572年に起こった超新星爆発の名残で、オランダの天文学者ティコ・ブラーエが光度変化などを詳しく観測したことからその名が付けられている。画像中の色はX線エネルギーの強さによって変えてあり、赤が一番エネルギーが低く、緑、青の順に高くなっていく。一番外側の青い部分は2000万度もの高温領域だ。

ティコの超新星残骸を、同じカシオペヤ座にあるX線源カシオペヤ座A(電波源としても有名)と比較してみると、いろいろな違いがあり面白い。ティコの超新星残骸では残骸物は固まり状に見えるがカシオペヤ座Aでは結び目のように見えることや、ティコの超新星には中心に点源が検出されないことなどである。中心に点源がないのは、ティコの超新星残骸がIa型の超新星からできたことを示す他の観測結果と一致している。