いっかくじゅう座の特異変光星の周りで広がりつつある星雲
【2002年9月24日 アストロアーツ】
いっかくじゅう座の特異変光星 V838 Monは、今年1月に発見され、2月初めにアウトバースト(突発的な増光)を起こし、その後再び減光するという不思議な挙動を示している変光星だ。その後の観測で、星の周りに星雲状の天体が形成されていることがわかった。
この天体は現在も広がりつつあり、星雲状の天体が形成されるようすをリアルタイムで見ることができる貴重な機会を提供してくれている。ハッブル宇宙望遠鏡のACSカメラで撮影した画像では、層状になったガスのようすがはっきりと捉えられている。
位置は以下のとおり。星座絵で見ると、ちょうどいっかくじゅうの心臓のあたりになる。
赤経 7h04m04s.801 赤緯 -03o50'50".77 V838 Mon周辺の星図(101KB)
Vバンド(可視光波長域)では中心星が写らないが、Iバンド(赤外線波長域)では撮影できる(Iバンドで10等台)という情報もある。フィルターをいろいろと変えて中心星や星雲状天体の観測や撮影に挑戦してみてはいかがだろう。
(9月25日補足)
茨城県の清田誠一郎氏より以下のコメントをいただきました。
「星雲状の天体が形成されるようすを見てるのには違いないですが、見かけ上星雲が広がっていくように見えているのは、光が到達してだんだん照らされている領域が増えているせいです。」
この場を借りてお礼を申し上げます。ありがとうございました。