2002年のしし座流星群
アメリカからの観測報告と日本国内で撮影されたビデオを紹介
【2002年11月20日 アストロアーツ】12月3日更新
<2002年しし座流星群 ギャラリーページがオープン>
特集 しし座流星群2002にギャラリーページがオープンした。皆様からお寄せいただいた2002年のしし座流星群の写真や動画をまとめて掲載している。ぜひご覧いただきたい。
(11月27日更新分)
スペイン・カナリア諸島で撮影された流星の写真を送っていただいたので紹介しよう。夜間に撮影されたとは思えない非常に美しい写真だ。
- 撮影者:
- 及川 聖彦
- 撮影日時:
- 2002年11月19日 1時30分前後(現地時刻)、露出 1分
- 撮影地:
- スペイン カナリア諸島テネリフェ島 テネリフェ天文台
- 撮影機材等:
- キヤノン EOS 1N-HS + シグマ 20mm F1.8→2.8、フジクローム プロビア400
- ●撮影者コメント(抜粋):
- 残念ながら、予想ピーク時間の19日3h-4h(現地時間)は雲量9の高層雲に阻まれ充分観測できませんでした。しかし、雲間に飛ぶ火球群から短時間ながら昨年の日本に匹敵する活動があったことをうかがわせました。
写真は、しし群に属する長経路流星です。2本目のフィルムの1コマ目に写っていました。ほんの少しの差で逃すところでした。ビデオにも撮影されていました。蓄積2秒で2コマにわたっ撮影されていますので継続時間はけっこう長いようです。出現時刻は、現在調査中です。
(11月26日更新分)
アメリカ・モニュメントバレーで撮影された流星の写真を送っていただいたので紹介しよう。やはり月が明るかったようだが、日本よりは数も多く、特にビデオでは楽しめたようだ。
- 撮影者:
- 北原(八ヶ岳自然文化園)
- 撮影日時:
- 2002年11月19日 1枚目と2枚目は写真中に時刻(現地時刻)あり
- 撮影地:
- アメリカ アリゾナ州 モニュメントバレー
- その他:
- 3枚目は高感度ビデオカメラで撮影
- ●撮影者コメント(抜粋):
- モニュメントバレーは快晴の中、流れ星を観測することが出来ました。とはいえ、やはり満月に邪魔されてしまったことと予想どおり暗めの流星が多く、肉眼ではあまり楽しめませんでした。どうしても昨年の感動が強すぎるため、期待が大きすぎたのだと思います。でも、ニコンのナイトサーチが大活躍してくれ、肉眼では見えない流星を、たくさん写し撮ってくれました。
- (八ケ岳自然文化園の2002年しし座流星群観望会のページでは、自然文化園で開催された観望会のようすやモニュメントバレーからの報告などが見られます。)
アメリカからの報告
アメリカ・カリフォルニア州でしし座流星群を観測したスタッフからの報告が届いたので紹介しよう。
観測はカリフォルニア州パロマ山にある、オレンジ郡天文同好会の共同観測所で行なわれたとのこと。ビデオ、肉眼ともに2時半(現地時間)前後20分でピークが見られ、その前後ではめっきり数が減ってしまった。2時40分ころに顕著なピークが見られたという印象を受けたそうだ。空の明るさは月明かりのため3等星が見える程度であったが、肉眼でも時間あたり数十個が流れた感じとのこと。
ビデオでは肉眼では気がつかないほどの流星が見られ、極大日には昨年の日本でのしし群の極大に劣らないほどの流星が記録されているようだ。ワテックのビデオ撮影が月明かりでは大変有利なことが証明された。なお1秒の間に5個の流星が写るなど、昨年見られた同時流星も多く見られようだ。
国内で撮影された動画
一方、国内でもスタッフが撮影に出かけ、上記の報告にもあるWATECのCCDカメラを用いて流星の動画を撮影した。30分で20個以上の流星を捉えており、月明かりの中でも高い性能を発揮していることがよくわかるだろう。2つ目の動画はちょうどしし座を通過するISS(国際宇宙ステーション)を捉えた面白い動画となっている。
- (こちらはmpg形式の動画です。サイズ 1.6MB)
- 撮影者:
- 川村 晶
- 撮影日時:
- 2002年11月19日 5時から30分間に捕らえたしし群の流星のみをカット編集
- 撮影地:
- 群馬県鬼石町
- 撮影機材等:
- WAT100N(CCDモノクロビデオカメラ)+ CBC3.8mm(F0.85)にて撮影、ミニDVに録画、PCモニタ用に色調、レベル補正。星座線を合成してmpeg1に出力
- ●撮影者コメント:
- ヨーロッパ・西アフリカピークの約8時間前にあたる日本時間の19日午前5時。そろそろ薄明が始まる時刻に、しし座が天頂近くまで昇りつめた。午前4時くらいから流星の数が増え始めたが、ビデオには30分で20個を越える流星が写っていた。明るい星は木星。