ニート彗星(C/2002 V1)がSOHO/LASCO C3の視野を通過する

【2003年2月14日 アストロアーツ】

先月末、太陽観測衛星SOHOLASCO/C3コロナグラフの視野内を工藤・藤川彗星(C/2002 X5)が通過するようすがインターネットでリアルタイムに見られたが、今月はニート彗星(C/2002 V1)が同じようにインターネットで見られそうだ。

ニート彗星(C/2002 V1)の位置を示した図

2月下旬にLASCO/C3の視野内を通過するニート彗星(C/2002 V1)。LASCO/C3の視野にあわせて、黄道座標系で太陽に対する位置を示している。彗星の尾は模式的に表したもの。クリックで拡大

現在、ニート彗星はみずがめ座を南下中で、18日に近日点(彗星が太陽にもっとも近づく点)を通過する。太陽のすぐそばにあるので普通には見ることができないが、SOHOLASCO/C3カメラが常に太陽の方向を観測しており、その画像がインターネット上でリアルタイムに公開されているので、ニート彗星が近日点を通過する前後のようすをインターネットで見ることができるというわけだ。

SOHOのウェブサイトはhttp://sohowww.nascom.nasa.gov/より。こちらのサイトの「THE SUN NOW」や「Latest Images」などのページをご覧いただきたい。彗星がLASCO/C3の視野内のどこに見えるのかは図を参考にしてほしい。

なお、ニート彗星の近日点距離は0.1天文単位以下とひじょうに小さいため、近日点通過前に分裂や消滅してしまう可能性も指摘されている。ひょっとすると彗星がバースト(爆発)するところを目撃することもできるかもしれない。ニート彗星の変化のようすにも注目してみたい。

ステラナビゲータVer.6で見え方をシミュレーションする方法

以下の手順で、ニート彗星(C/2002 V1)がLASCO/C3の視野中でどのように見えるかシミュレーションすることができる。

  1. 星図の設定ファイル「lasco_c3.sns」ファイルをダウンロードします。
    ダウンロードは、ファイルを右クリックし、表示されるメニューから保存を選んでください。
  2. ダウンロードしたファイルlasco_c3.snsをダブルクリックして、設定された星図を開きます。
    または、ステラナビゲータの[ファイル]メニューから「開く…」を選び、ダウンロードしたファイルを選択することもできます。
  3. 設定ファイルは2003年2月16日の12時(日本時)にセットされています。太陽を中心とした星図が描かれ、円の上端にニート彗星が表示されています。
    日付や時刻を変えて、彗星が視野内でどの位置にあるのか確認してみてください。
  4. ニート彗星が表示されない場合は、彗星の軌道要素が登録されていない可能性があります。
    ステラナビゲータの[ツール]メニューから「データ更新…」を選び、最新の軌道要素をダウンロードしてください。(ダウンロード後にステラナビゲータの再起動が必要です。)なお、彗星の最新の軌道要素はステラナビゲータVer.6のダウンロードページからダウンロードすることもできます。