板垣さん、明るい超新星を発見
【2003年3月24日 国立天文台・天文ニュース(625)+VSOLJニュース(100)】
山形県山形市の板垣公一(いたがきこういち)さんが、3月21日に14.4等の明るい超新星をろくぶんぎ座の渦巻銀河NGC3169に発見しました。
板垣さんが測定した超新星の位置は、
赤経 10h 14m 15.97s 赤緯 +03゜28' 02.5" (2000.0) NGC3169周辺の星図(14KB)
で、八ヶ岳南麓天文台の串田嘉男(くしだよしお)さんの銀河の位置の測定と比較して、銀河の中心から東に14秒角、北に5秒角にあたります。
これまでに報告されている光度は以下の通り。
SN2003cg 20030313.3 <190:C KAIT SN2003cg 20030321.51 144:C 板垣 SN2003cg 20030322.3 149:C KAIT SN2003cg 20030322.444 143:C 板垣 SN2003cg 20030322.559 155:C 串田 SN2003cg 20030322.835 145:C Arbour(独立発見)
この銀河には、以前IIL型の超新星1984Eが出現しましたが、その極大は15.2等級ほどでした。今回の天体は発見時にすでにそれよりもかなり明るく、今後のタイプ決定と継続観測が熱望されます。
板垣さんは彗星や超新星をいくつも発見しているベテランの天体捜索家で、これまでにも超新星を相次いで発見しています(天文ニュース(441)、板垣さん、またも超新星を発見(500))。また、昨年、アンドロメダ座の大銀河・M31のお伴の銀河のM110(NGC205)に出現した新星の発見(天文ニュース(587))により、3月25日に開かれる宮城県仙台市で行われる日本天文学会総会で天体発見賞を受賞されます。