5月29日に白昼の金星食

【2003年5月22日 国立天文台天文ニュース(638)

5月29日の昼間、金星が月にかくされる現象が起こります。

明けの明星として夜明け前の東の空低くに姿を見せている金星が、29日の午後2時ごろに新月直前(月齢27.7)の細い月にかくされ、そして出てくるところを全国で見ることができます。

肉眼で見るのは難しく、双眼鏡や望遠鏡の助けが必要でしょう。近くに太陽があるので、間違って太陽を見てしまうと非常に危険です。注意してください。金星の明るさはマイナス3.9等で、月にくらべて明るいことがわかるかと思われます。

東京の場合、金星が月の明るい側から隠される(潜入)のは14時1分。そして1時間20分後の15時22分に月の欠けた暗い側から現れ(出現し)ます。

主な各地の潜入・出現の時刻は以下の通りです。

都市名潜入時刻出現時刻
札幌14時06分15時11分
仙台14時03分15時20分
東京14時01分15時22分
大阪13時55分15時20分
福岡13時47分15時17分
鹿児島13時47分15時17分
那覇13時46分15時09分

金星食は世界的に見れば頻繁に起こっていますが、日本全国で見られたのは、1989年12月2日以来で、13年ぶりのことになります。また、次に日本で見られるのは2012年8月14日です。

全国の公開天文施設などで観望会やインターネット中継が予定されています。姫路市宿泊型児童館『星の子舘』の職員の方が精力的に情報を収集されています、ご参照ください。