土星まであと7か月:土星探査機カッシーニ、ラストスパート
【2003年12月9日 Cassini-Huygens News - Press Releases】
土星到着まであと7か月をきったNASAの土星探査機カッシーニが、1年ぶりに土星の姿を真近に捉えた。
この画像が撮影されたのは11月9日のことだが、このときカッシーニから土星までの距離は1億1100キロメートルほどであった。これは地球と太陽の距離の4分の3ほどにあたる。1年前には見られなかった環や大気の詳細なようすのほか、土星の衛星のうち5つも見事に捉えている。
土星への到着を目指してきたカッシーニが今後さらにクローズアップした画像を届けてくれれば、斑点や嵐、波状の縞模様について、今までの10倍以上詳細な情報がもたらされることになる。土星系の研究にメスが入る日も近い。
カッシーニは2004年7月1日に土星に到着する。その6か月後にはホイヘンス宇宙探査機が切り離され、衛星タイタンへ着陸する。タイタンに存在する液体メタンの海がどんなものかを知らせてくれる日も近いというわけだ。クリスマスプレゼントを待ちわびる子供のようにわくわくするのは、準備から10年間という長い間待ちわびてきた科学者だけではない。われわれにとっても大いに興奮するニュースとなるだろう。