カッシーニが撮影した木星の素顔

【2003年11月21日 JPL News Release

NASAの土星探査機カッシーニによる、詳細な木星の最新カラー画像が公開された。

(木星の画像)

カッシーニが捉えた木星。クリックで拡大(提供:NASA / JPL / Space Science Institute)

カッシーニは2004年7月から土星周回軌道に入って土星の観測をする予定だが、その道中の2000年12月末に木星まで約1000万キロメートルの距離に接近し、木星を撮影した。9か所から撮影された27枚の画像をつなぎ合わせ、自転によるずれの補正や少しの画像処理によって、今までに見たこともないほど詳細で美しい木星の画像が得られたのである。

この画像中には、さまざまな形や模様、色などが写し出されている。縞模様の中には白く明るい点が見え、大赤斑も大きく目立っている。これらの模様はすべて、太陽系最大の惑星である木星の大気によって生み出されているものだ。つまり、大気がどのように形を変えて見えるのかを、太陽系最大の規模で見せてくれているのである。

約7か月後、カッシーニが土星周回軌道に入れば、今度は同じくらい美しい土星の姿を捉えてくれるに違いない。科学的な成果はもちろんのこと、美しい土星の画像も大いに楽しみである。