地球型惑星は意外にありふれた存在かもしれない
【2003年12月22日 UNIVERSITY OF WASHINGTON News】
生命体の進化には惑星の豊富な水が不可欠だが、ワシントン大学やアリゾナ大学の研究者たちによる最近の研究によれば、地球のように水を持つ惑星の候補は意外と多くありそうだ。
発表によると、彼らの行った44のコンピューターシミュレーションのうち、全体の4分の1にあたるシミュレーションで、ちょうど我々の太陽系における太陽から地球までの距離に相当する位置に惑星が形成された。これら11の地球型惑星が、何らかの生命の住める環境を提供するだろうということだ。
また、地球のように水をたたえている惑星は、木星タイプの巨大ガス惑星にかなり影響を受ける。同じ巨大惑星でも、その軌道によって生まれる地球型惑星の種類が異なるのだ。たとえば離心軌道の(楕円率の大きな軌道を持つ)惑星は乾いた惑星を生み、円心軌道(円に近い軌道)の場合、水を持つ惑星を生むのである。太陽系の場合、木星はやや楕円軌道なため、地球が完全に水に覆われることもなく、かといって乾いた星にもならず、その表面の80%が水に覆われる惑星になったのだ。
最近発見されている多数の巨大惑星は、中心星(太陽)に対する重力作用や見え方などからその軌道を求めることができる。しかし残念ながら、地球型惑星は大きさも質量も小さく、現在の観測技術では探し出すことは不可能だ。コンピュータのモデル計算が正しければ、我々の太陽系に近いところでも、見つからない地球のような惑星を伴っている恒星が存在しているはずである。とはいえ、そういった惑星に果たして単純な微生物や細菌以上に発達した生命が存在しているかどうかについては、さらに不確かである。
今回のシミュレーションは地球型惑星形成の極端な例として行われたものであって、この銀河においてどのような惑星が典型的なものであるかについてのものではない。その結果は、バラエティーに富んださまざまな惑星を見せてくれる。地球の半分のサイズのものや、3倍も大きく10倍以上の水を持つもの、火星のように乾いた星など、興味深いものも多い。
他の地球型惑星がどのようなものであるかを探ることがこの研究の最終ゴール。今後の成果に注目したい。