第2の地球を探すなら、ダストに注目しよう
【2004年2月26日 CfA Press Release】
惑星そのものはありふれた天体であるはずなのだが、発見はなかなか困難を伴う。ひじょうに明るい天体(恒星)がそばにあるため、直接観測するにはあまりにもかすかな存在だからだ。そこで専門家たちは、原始惑星系円盤と呼ばれる若い惑星系に注目し、惑星がガスやダスト(塵)からなる円盤へ及ぼす影響を捉えることによって惑星の存在を発見しようと試みている。
観測によって捉えられると予測されている影響は、次のように考えられている。木星のような巨大惑星が存在する場合、その重力が大きいため、円盤の一部をリング状に一掃して隙間ができるだろう。また、円盤をゆがめたり、水面に起きる船の軌跡のような細長い模様を円盤に残したりすることも考えられる。一方、地球サイズの惑星は、木星などと比べて重力がとても小さく、そのためかすかな影響しか残さない。
そこで考え出されたのが、赤外線によって惑星系の明るさを見る方法だ。恒星が円盤を持つ場合と持たない場合では赤外線の明るさが異なり、塵が多ければ多いほど、赤外線が強く検出されるのだ。赤外線は原始惑星系円盤を探すために使われているが、同時に地球サイズの星がいつこの円盤の中で形成されたのかを知る手掛かりをもたらしてくれるわけだ。
研究グループはコンピュータシミュレーションによって惑星系形成のようすを調べた。そして、惑星が形成される過程で惑星の周辺に塵が生じることを確かめ、塵の生成率や予測される赤外線超過の量などを求めたのである。塵の温度からは、その塵や惑星が中心の星からどのくらいの距離にあるかを推定することもできる。
現在のシミュレーションでは金星の軌道から地球と火星の半分の距離という太陽系の一部しかカバーしていないが、今後はさらに拡大される予定だ。コンピュータ技術の進歩とともに、最終ゴールである太陽系全体のモデルが作成され、太陽系形成のシミュレーション映像が公開される日を楽しみにしたい。と同時に、実際に赤外線観測によって地球サイズの太陽系外惑星が発見される日も心待ちにしていよう。