宇宙の信号灯が照らし出す星のゆりかご「McNeil星雲」
【2004年3月29日 Gemini Observatory】
アメリカのアマチュア天文愛好家によって、オリオン座のM78星雲の近くで、生まれたばかりの星が自らのゆりかごを照らし出しているという珍しいようすが発見された。
この天体は当初、見慣れない小さなぼんやりとした天体として、今年1月にアメリカのアマチュア天文愛好家によって発見された。この発見を受けて、ジェミニ望遠鏡が迅速な観測を行った結果、幸運にもその姿が捉えられたのである。
画像中の星は、進化のごく初期段階にある、いわば生まれたての赤ちゃん星だ。星のアウトバーストによって、星を生み出したゆりかごである暗い星雲に光が注がれている現象が発見されたのは、実に30年ぶりのことである。また、発見者にちなんで「McNeil星雲」と呼ばれるこの星雲では、星の周りに、ひじょうに強い恒星風も確認されている。
スペクトルと画像の詳しい分析から、星がかなり強く輝いていることや、秒速600kmものスピードで自らガスを激しく放出していることもわかった。このガスの放出は、回転するガス円盤と星の周りのちりとの複雑な相互作用によって引き起こされたものだ。このようなガスの放出については、あまりよく知られていないため、今後星が燃え続けるか、またはその姿が再びガスの中に消えていくのかは、まだよくわかっていない。
われわれの星の起源についての知識は、いまだ充分ではない。そのため、今回のように星の長い一生のうちに起こる一瞬一瞬の変化を発見し捉える続けることが、地道ではあるが確実に理解を深める方法の一つとなるのだ。