若い高温星に落ち込む、直径100kmの彗星

【2004年4月22日 Penn State Eberly College of Science

直径約100kmの彗星状の天体が巨大な若い高温星に落ち込むようすが捉えられた。彗星が落ち込む天体としては今までで一番若い星で、短期間に激しいスペクトルの変化を見られたということだ。

(LkHalpha 234に落ち込み蒸発する彗星の想像図)

LkHalpha 234に落ち込み蒸発する彗星の想像図(提供:Tigran Ghulyan, Penn State University)

LkHalpha 234というこの星は、およそ3200光年離れたケフェウス座の星雲NGC 7129に存在する。質量は太陽の6倍で、年齢が10万歳ととても若い。この若い星のスペクトルを分析した結果、星の近くに100kmサイズの物体が検知された。

彗星状の天体の存在は、スペクトルに見られる特徴のうち中性ナトリウムや水素、ヘリウムに注目することでわかったものだ。また、100kmという天体の大きさの推定値は、星の温度と彗星の動きなどから求められた。

今回の観測で特に興味深い点は、数日間というひじょう短い観測期間にこの星のスペクトルが大きく変化したという点だ。その変化は他の例と比べ物にならないくらい激しいものだという。今回得られたデータは、惑星系の形成や大質量星系の進化の時間スケールについても情報をもたらしてくれるだろう。

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