土星探査機カッシーニ、無事に土星の周回軌道へ、初画像を送信
【2004年7月2日 ESA News / JPL News Releases】
1997年の打ち上げから6年半の間太陽系の旅を続けてきた土星探査機カッシーニが、7月1日に無事土星の周回軌道へ入った。その後送られてきた画像には、驚くほど詳細なリングが捉えられている。
送られてきた画像は、土星周回軌道に入るためにメインエンジンが点火された直後に撮影されたもので、全部で61枚ある。画像中には、リングを構成する個々の粒子を見てとることはできないが、高速道路の渋滞を思わせるように粒子が集まっては消え、また再び集まる様子が捉えられていたという。
土星探査機カッシーニは、土星本体とその衛星について探査を行う予定だ。今年12月25日には、カッシーニから小型衛星ホイヘンスが切り離され、来年1月に衛星タイタンへと投入される。タイタンの大気には窒素が豊富に含まれており、化学的な環境は生命誕生以前の地球のものと似ている。探査が進めば、初期の地球における大気の進化や生命誕生のメカニズムのヒントとなる情報がもたらされるかもしれない。さらに、投入の衝撃に無事耐えることができた場合には、タイタンの地表の環境についても物理的な特徴が分析されることになっている。
過去の探査機パイオニアやボイジャーによってわれわれが初めて土星の姿を目にしてから12年以上の歳月がたった。カッシーニは、大きさや性能の面でも過去の探査機をはるかにしのぐものだ。土星周回軌道に投入された初の探査機として、今後4年間の探査の無事を祈りたい。