NGC 6946に明るい超新星2004etが出現
【2004年9月30日 VSOLJニュース(130)】
はくちょう座の北端、ケフェウス座との境界に位置するNGC 6946は、5Mpcという近傍にある大きな渦巻銀河です。この銀河には、これまで7個の超新星の出現が記録されてきました(1917A, 1939C, 1948B, 1968D, 1969P, 1980K, 2002hh)が、このほど8個目の超新星の発見が報じられました。この天体には、超新星2004etという名前が付けられました。
超新星2004etを発見したのはイタリアのStefano Morettiさんです。27日に撮影したCCD画像で、12.8等の明るさでとらえられました。板垣公一さんが発見した超新星2004dj(VSOLJニュース127)に次いで、本年2番目に明るい超新星です。超新星の位置は、以下のように報告されています。NGC 6946の中心から、およそ東に250秒角、南に120秒角ほどにあたります。
赤経 20時35分25.4秒 赤緯 +60度07分17.6秒 (2000.0年分点) NGC 6946周辺の星図
発見報を受けて、イタリアのAsiago天文台で28日に撮影されたスペクトルでは、広い水素の輝線が見られ、爆発後それほど経っていないII型の超新星と判明しました。銀河系内およびNGC 6946内での星間吸収もかなりあり、吸収がない場合よりも1等くらい暗くなっているようです。発見等級は、II型超新星で期待される極大等級とほぼ合致します。今後この超新星がどのように変化していくか、追跡が強く望まれます。