10月14日の部分日食

【2004年10月7日 国立天文台 アストロ・トピックス(54)

10月14日部分日食が起こります。この日食は、シベリア、中国北部、朝鮮半島、北太平洋(東部を除く)、アラスカで見られます。日本では九州南部、沖縄を除く各地で部分日食を見ることができます。

日本で見ることができる日食としては、2002年6月11日の部分日食以来、2年4か月ぶりの日食となります。

今回の部分日食は北に行くほど食分(欠ける度合い)が大きくなり、日食の起こっている時間も長くなります。ただ、札幌でも最大食分が0.4と、あまり大きくは欠けません。

主な各地の現象の時刻と食分は以下のとおりです(平成16年版)。

地名食始最大食終食分
札幌 10時27分15秒11時31分50秒12時36分26秒 0.380
仙台 10時37分57秒11時38分15秒12時38分26秒 0.300
東京 10時45分19秒11時40分53秒12時36分19秒 0.239
京都 10時49分38秒11時35分51秒12時22分15秒 0.158
福岡 11時07分15秒11時29分33秒11時51分53秒 0.034

日食といっても、まだ太陽の大部分が隠されずに残っていますので、観察するときには肉眼で見てはいけません。直接見ると網膜が焼けてしまいます。観察には日食観察用の特殊グラスを使用するか、ピンホールを造って太陽の像を投影するようにしましょう。使用済みの小さな穴の空いたテレフォンカードなどを太陽にかざし、その後ろに紙をかざすと、穴の数だけ欠けた太陽像が並ぶので、とてもユニークです。安全にはぜひ注意してください。

今回の部分日食に続く、次の日食は2005年4月8日(日本時間)に起こる金環皆既日食で、金環皆既食帯はニュージーランド沖で始まり、南太平洋を通り、中南米に達します。この日食は日本では見ることはできません。次に日本で見られる日食は2007年3月19日の部分日食がありますが、わずかに欠けるだけです。その後2009年7月22日の皆既日食となります。

今回の日食も何か所かでインターネットによる中継が予定されているようです。以下の<関連リンク>の「姫路市宿泊型児童館「星の子館」 部分日食中継リンク」をご覧ください。

<参照>

  • 国立天文台 アストロ・トピックス (54): 10月14日の部分日食
  • Fifty Year Canon of Solar Eclipses (NASA,1987)
  • 平成16年版 理科年表、天文雑誌各誌

<関連リンク>