太陽10兆個分の輝き、隠れたモンスター銀河を発見

【2005年3月16日 Spitzer Newsroom

NASAのスピッツァー宇宙望遠鏡によって、110億光年かなたにひじょうに明るい銀河が発見された。

(赤外線で見た銀河の想像図)

赤外線で見た銀河の想像図(提供:NASA/JPL-Caltech/T. Pyle (SSC))

発見されたこれらの銀河は、太陽10兆個に相当する明るさで輝いている。しかし、110億光年という遠方にあることに加えて、大量の塵に埋もれているため、通常の観測ではその姿を見ることはできない。今回の発見は、スピッツァーが赤外線に対して高い性能を発揮したことによるものだ。

銀河からの光を遮る大量の塵がどこから来たものかは、はっきりとはわかっていない。さらに、その例外的な明るさについても謎が残る。専門家は、宇宙でもっとも明るい天体であるクエーサー(その中でも新種の「塵の多いクエーサー」)が潜んでいるのではないかと考えている。

また、スピッツァーによる分光観測から、ケイ酸塩の存在も確認された。ケイ酸塩は惑星形成の材料となる物質だが、このような初期宇宙の銀河でケイ酸塩が観測されたことにより、惑星系の誕生についての情報が得られるかもしれない。