ハッブル宇宙望遠鏡が捉えた、銀河同士の衝突の跡

【2005年4月6日 HubbleSite newscenter Newsdesk

NASAのハッブル宇宙望遠鏡が捉えた、巨大な楕円銀河NGC 1361の画像が公開された。画像には、銀河に横たわり複雑な様相を見せる塵と赤い星の星団が写し出されているが、これらは、数十億年前に起きた豊富なガスを持つ渦巻き銀河同士の衝突の証拠である。

(NGC 1316の画像)

楕円銀河NGC 1316。クリックで拡大(提供:NASA, ESA AND The Hubble Heritage Team (STScI/AURA))

NGC 1316は、南天のろ座銀河団の端に位置し、われわれから7500万光年離れている。ハッブル宇宙望遠鏡が見事に捉えたのは、過去に起きた激しい衝突を物語る現場のようすだ。銀河の外層には、波紋やループ、羽毛を思わせるような構造が見られる。内側の領域には、複雑な暗い筋や斑点も捉えられている。これらは、以前にこの銀河に飲み込まれたいくつかの銀河の星間物質と考えられている。

明るさごとに星団の数を数えると、過去にガスの豊富な銀河同士が合体していく途上でできた星団が徐々に崩壊していくようすがわかる。このような星団の崩壊を捉えることができたのは、ハッブル宇宙望遠鏡に搭載されたACSカメラの性能が高いおかげである。