生命の存在する惑星と存在しない惑星の違いとは

【2005年6月29日 Bristol University News

地球以外の惑星に生命は存在するのか、これはいまだ答えの出ていない大きな謎だ。最近の研究によれば、宇宙のどこであれ、酸素こそが複雑な生命体のエネルギー源として現実的とされている。生命が存在する惑星としない惑星を分ける要因は何か。その答えを探るのは、まず私たちの地球と、すぐ近くの火星や金星との違いを知ることからはじまる。

NASA、ワシントン大学、ブリストル大学の研究チームによれば、地球上の酸素が多細胞生物の進化に必要な量に達するまで、40億年近い時間を要した。これは太陽の寿命の半分程度だが、他の短命な恒星のまわりの惑星では、酸素がたまるだけの時間がないという。つまり、惑星で生命が進化できるかどうかを決める決定的な要因は恒星の寿命というわけだ。

しかし同じ太陽の周りを回りながら、今のところ太陽系の惑星で生き物が存在するのは地球だけである。生命の存在が確認されていない金星や火星と比較すると、地球表面の環境は大きく異なる。その地球もまた、生まれたとき表面は生命の存在しない荒野だったはずである。

研究チームの一人キャトリング博士は、NASAの次期火星探査車フェニックス・ランダーのサイエンス・チームにも所属している。フェニックス・ランダーは、長いアームを用いて火星の地表を1メートルの深さまで堀り、土壌を化学分析する。博士は、フェニックス・ランダーによる火星探査の重要な目標は、生命が生息できるような環境が過去の火星にあったかどうかを知ることだという。

地球と火星がどのような歴史をたどったかを調べることで、いかにして生命が存在しない状態から今の地球のように複雑な世界が作られるのかを探ることができる。これは、地質学、気象学、生物学など様々な専門分野を必要とする大きな課題だ。