スワン彗星(C/2006 M4)が7等台に

【2006年9月21日 アストロアーツ】

9月13日のニュースでも紹介したスワン彗星(C/2006 M4)が、7等で観測されています。今は明け方の東の低空にありますが、10月には夕方の空で高度が上がり徐々に見やすくなりますので、秋空に輝く彗星の姿に注目しましょう。


(門田健一氏撮影のスワン彗星(C/2006 M4)の写真)

高度8度の超低空で、頭部が強く集光した明るい姿をとらえた。北北西の方向に淡い尾が見られる。CCD全光度は7.9等。
撮影/門田健一、撮影地/埼玉県上尾市、撮影日時/2006年9月19日4時25分(JST)、撮影機材/口径25cmF5反射+冷却CCD

6月に発見されたスワン彗星ですが、その後しばらく太陽の近くにあって観測できない状態が続いていました。9月下旬から見えるようになり、8等級にまで増光すると予想されていましたが、15日ごろから複数の観測者によって姿がとらえられ、すでに7等前後まで明るくなっていることが報告されてます。

英・北アイルランドのMartin Mc kenna氏によれば、9月16.21日(世界時、以下同様)に北東の超低空でおよそ7.5等の姿が21.6センチメートルのドブソニアン望遠鏡でとらえられ、薄明と月光の中でもやや集光したコマが観測できたとのことです。同日、ポーランドのPiotr Guzik氏は、彗星が7等で強い集光が見られること、10×50(5センチメートル10倍)双眼鏡でも姿をとらえられたことを報告しています。

日本でも、天候の回復にしたがって観測ができるようになっています。山口県の吉本勝己氏は、9月20.82日(日本時21日早朝)に20×100(10センチメートル20倍)双眼鏡で、高度6度の低空ながら、6.9等で輝く彗星を観測しています。

9月末から10月初めの明け方までは、スワン彗星は北東のひじょうに低い位置にありますが、その後除々に、夕方の北西の低空から見やすい位置に上がってきます。ぜひ観測してみてください。

スワン彗星の位置や光度変化について

スワン彗星の見え方を天文シミュレーションソフトウェア「ステラナビゲータVer.7」で再現することができます。ご利用の方は、ステラナビゲータを起動後、「データ更新」を行ってください。

位置推算表

<参照>

  • 星ナビ.com:
    • 月刊星ナビ 10月号(吉田誠一の視天67「“職人”が見つけ出したスワン彗星 三彗星発見物語(後編)」 )、Observer's NAVI(117年ぶりの再発見)
    • 月刊星ナビ 9月号(吉田誠一の視天66「バーナード第2彗星が急増光 三彗星発見物語(前編)」 )、Observer's NAVI(明るい彗星が目白押し)

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