今後の変化に注目!マックノート彗星(C/2006 P1)が1等級に

【2007年1月5日 アストロアーツ】

Robert McNaught氏によって昨年8月に発見報告されたマックノート彗星(C/2006 P1)は、発見時の17等級から、今年に入りすでに1等級にまで明るくなり、薄明中の超低空で観測されています。今月13日から15日には、太陽観測衛星SOHOのLASCO/C3コロナグラフのリアルタイム画像にその姿を見ることができますので、今後どのような変化を見せるかに注目が集まっています。


(マックノート彗星(C/2006 P1))

マックノート彗星(C/2006 P1)。(右側は5.8等の恒星)クリックで拡大(撮影者/アストロアーツ 門田健一、撮影日/2006年1月1日6時13分(JST))撮影機材/口径25cmF5反射+冷却CCD)

Robert McNaught氏にとって31個目の発見となったマックノート彗星(C/2006 P1)は、発見時の17等級から、昨年末には3等級に、そして今年に入ってすでに1等級まで明るさを増しています。このマックノート彗星は、今月13日に近日点を通過します。このとき、太陽のすぐそばにあるので通常は見ることはできませんが、太陽観測衛星SOHOのLASCO C3コロナグラフ(カメラ)の視野内を通過するので、13日から15日には、近日点通過の前後のようすをインターネットのリアルタイム画像で確認することができます。

太陽観測衛星SOHOのウェブサイト内の「The very latest SOHO images」や「Latest Images」などのページをご覧ください。

マックノート彗星の光度については、1月3.49日(世界時、以下同様)にノルウェーのH. Dahle氏による9倍63ミリメートルの双眼鏡を使った観測では、強烈な薄明中の高度3.9度という超低空ながら、0.2度の尾とともに1.5等の彗星として確認されました。同じく1月3.49日に観測を行ったJohn Bortle氏は、彗星の姿について「近日点通過前の池谷・関彗星のようだった」とコメントしています。近日点通過時の彗星の明るさの予測は難しいため、どこまで明るくなるか、どれほどの尾を引くかなど、彗星の今後の変化に注目が集まっています。

《村岡健治氏の計算による軌道要素》

角度に関する要素は2000.0年分点

近日点通過時刻(T)2007年1月12.79653日 TT
近日点距離(q)0.1707293AU
離心率(e)1.0000215
近日点引数(ω)155.97552度
昇交点黄経(Ω)267.41477度
軌道傾斜角(i)77.83468度
元期(Epoch)2007年1月20.0日 TT

《ステラナビゲータで彗星の見え方をシミュレーション》

マックノート彗星の位置を天文シミュレーションソフトウェア「ステラナビゲータ Ver.8」で表示して位置を確認できます。ご利用の方は、ステラナビゲータを起動後、「データ更新」を行なってください。

また、マックノート彗星がLASCO C3の視野内で移動していくようすを再現したアニメーションを「コンテンツ・ライブラリ」で公開しています。ステラナビゲータ Ver.8をご利用の方は、ステラナビゲータの「コンテンツ・ライブラリ」からファイルをダウンロードし、実行してください。