宇宙進化研究センター、愛媛大学に新設
【2007年11月14日 国立天文台 アストロ・トピックス(344)】
愛媛大学は、宇宙進化の研究を総合的に行う「宇宙進化研究センター」を11月に設置し、活動を開始した。研究の主なキーワードは、銀河、巨大ブラックホール、暗黒物質、宇宙大規模構造、宇宙プラズマと多岐にわたっているが、宇宙進化の研究が総合的に行われることになっている。
アストロト・ピックスより
愛媛大学は、これまで沿岸環境科学研究センター、無細胞生命科学工学研究センター、地球深部ダイナミクス研究センター、また文科系でも、東アジア古代鉄文化研究センターといった特色あるテーマをそれぞれ中核として最先端の研究を担うセンターを立ち上げてきましたが、この11月から、新しく「宇宙進化研究センター」(センター長:谷口義明(たにぐちよしあき)教授)を設置し、その活動を始めました。
このセンターは、宇宙の起源から未来へと続く宇宙進化全般を研究目標にかかげて研究展開をしていくことになっています。組織としては、宇宙大規模構造進化研究部門、ブラックホール進化研究部門、宇宙プラズマ環境研究部門という三つの研究部門からなっています。研究のキーワードは、銀河、巨大ブラックホール、暗黒物質、宇宙大規模構造、宇宙プラズマと多岐にわたりますが、これらの研究テーマを有機的に関連させ、宇宙進化の研究を総合的に担う予定です。
また、教育にも力を入れる予定で、理学部には宇宙物理学コースが新設され、このコースでは二年次から宇宙物理学を系統的に学ぶことができるようになります。
「ハッブル宇宙望遠鏡のトレジャリー(基幹)・プログラム:COSMOS(コスモス)プロジェクト(Cosmic Evolution Survey:宇宙進化サーベイ)」に関わり、国立天文台すばる望遠鏡なども活用して、宇宙の大規模構造や、暗黒物質の三次元分布を導出するなどの成果を上げてきたセンター長の谷口教授は、「この研究センターを、四国地方のみならず、西日本地区の天文学・宇宙物理学の系統的な教育と先端的な研究の拠点とするために頑張っていきたい」と話しています。天文学の拠点大学として、今後は天文学を志す高校生の注目も集めそうです。