12月14日、絶好の条件のふたご座流星群をお見逃しなく
【2007年12月5日 国立天文台 アストロ・トピックス(348)】
三大流星群のひとつであるふたご座流星群が、12月14日前後に活動のピークをむかえる。今年は、宵のうちに月が沈むため、ほぼ一晩中良好な条件で観察することができる。
アストロ・トピックスより
毎年12月14日頃を中心にして前後数日間、「ふたご座流星群」が活発に活動します。今年は、極大が日本の夜にあたり、また月明かりの影響もないため、たいへん良い条件のもとで観察することができます。
ふたご座流星群は、1月のしぶんぎ座流星群、8月のペルセウス座流星群とともに「三大流星群」のひとつとして数えられます。この3つの中でも、流星がもっとも安定してたくさん流れるのが、このふたご座流星群です。
流星群とは、流星の元となる塵(ちり)粒の集団の流れと地球が遭遇するときに、塵粒が大気に飛び込んできて、多くの流れ星が見られる現象です。そして塵粒のもっとも濃い部分を地球が通過するとき、流星がもっともたくさん流れる極大期を迎えます。ふたご座流星群の極大期には諸説ありますが、いずれにしても今年は12月14日夜21時頃から15日明け方の4時頃だと推測されます。これは、まさに日本でふたご座流星群を観察できる時間帯とほとんど一致しており、この夜は一晩中ずっと、流星群の活発な活動を観察できそうです。じゅうぶんに暗い夜空で晴天に恵まれれば、1時間に30個を超える流星を見ることができるでしょう。
ベテラン観測者の中には、1時間に100個以上の流星を数える人も出てきそうです。なお、ふたご座流星群の活動は数日間続き、極大の前後でも流星の出現が期待できますので、14日だけでなく前後の夜にも注目してください。
また、流星群を観察するときの天敵は月明かりです。月明かりがあると、空がとても明るくなってしまい、暗い流星が見えなくなってしまうのです。しかし今年は、13日は19時半頃、14日は20時半頃、15日は21時半頃(ともに東京における時刻)に月が沈んでしまいますので、ほとんど月明かりの影響を受けずに観察できるのです。まさに絶好の条件と言えるでしょう。
そこで国立天文台では、できるだけ多くの方にふたご座流星群の流れ星を眺めてもらおうと、流星群の極大日である12月14日をはさんで、13日の夜から15日の夜(16日明け方まで)に「ふたご座流星群を眺めよう」キャンペーンを実施します。この期間に夜空を観察し、観察時間と、その間に何個の流れ星を見ることができたか等を報告ページから報告してください。携帯電話からも参加可能ですから、これまで流星を眺めたことのない方も、ぜひお気軽にご参加ください。
12月に入り、本格的な冬を迎え、たいへん寒い中での観察となる地方も多いことでしょう。体調を崩さないように暖かい服装をするなど、じゅうぶんに注意して観察にのぞんでください。この機会にぜひ、真冬の夜の流星の乱舞をお楽しみください。