4つ目の準惑星、名前は「マケマケ」
【2008年7月16日 IAU】(7月29日 更新)
国際天文学連合(IAU)は、2005年3月に発見された太陽系外縁天体(136472)2005 FY9について、「マケマケ(Makemake)」という名称を承認するとともに、準惑星として分類することを決定した。マケマケは4つ目の準惑星で、3つ目の冥王星型天体となる。
マケマケには、発見日時などで決まる「2005 FY9」という仮符号がついていた。カリフォルニア工科大学のMichael Brown氏らが2005年3月31日に発見し、2005年7月に2003 UB313(のちにエリスと命名)、2003 EL61とともに「巨大な太陽系外縁天体」として発表された。
エリスは冥王星よりも大きいことがわかり、IAUが惑星の定義を決定して「準惑星」という分類を創設する上で決定的な役割を果たした。「2005 FY9」は、知られている太陽系外縁天体の中では冥王星に次ぐ3番目の大きさであり、小惑星セレス、冥王星、エリスに続く準惑星の候補天体として2003 EL61などとともにリストアップされていた。
「マケマケ」と命名されるまでのいきさつは、発見者のBrown氏が自身のブログで述べている。
Brown氏は、これまでも数々の大型太陽系外縁天体を発見し、命名してきた。発見当時最遠でひじょうに冷たいとされた天体には「セドナ」(イヌイット神話の海の女神)、天文学界の内外に論争を巻き起こした天体には「エリス」(ギリシア神話の不和と争いの女神)といったように特徴をとらえた名前をつけているが、2005 FY9には際だった特徴がないため悩んだという。
昨年末になって思いついたのが、南太平洋のラパ・ヌイ島にまつわる神を探すことだった。2005 FY9が見つかったのは、キリストの復活祭(イースター)の数日後。現地語でラパ・ヌイと呼ばれる島をヨーロッパ人が発見したのは1722年の復活祭の日と言われ、今では「イースター島」という名前で知られている。
ラパ・ヌイ島の神話で人間を創造したとされるのが「マケマケ」で、豊穣をつかさどる神でもある。発見当時Brown氏の妻が娘を身ごもっていたことから、縁を感じたとのことだ。
エリス、マケマケとともに見つかった2003 EL61も、いずれ名前がついて準惑星に認定される可能性がある。こちらの天体にはラグビーボールのような楕円体というはっきりした特徴があり、Brown氏はいくつもの候補から選び抜いた名前を1年半前にIAUに申請したと述べている。
【訂正】(7月29日)
2005 FY9(マケマケ)の発見日について、「2005年5月31日」と記述していたのは「2005年3月31日」の誤りでした。また、発見者の名前を「Micheal Brown氏」としていましたが、「Michael Brown氏」の誤りでした。ともにおわびして訂正いたします。