太陽系の果てを描き出す、NASAのIBEX

【2008年10月27日 NASA Features

米国東部時間の10月19日、NASAの星間境界観測機「IBEX」が打ち上げられた。同観測機は地球周回軌道上から、太陽系外縁部で起きている太陽風と恒星物質によるダイナミックな相互作用を観測する。


(観測を行うIBEXの想像図)

観測を行うIBEXの想像図。クリックで拡大(提供:NASA)

10月19日午後1時47分(米国東部時間、日本時間20日午前2時47分)に、マーシャル諸島共和国 クェゼリン島のレーガン試験場から、「IBEX」が打ち上げられた。

予定の軌道に無事投入されたIBEXは、約1か月半後に観測を開始する。観測予定期間は2年。

太陽から100天文単位(1天文単位は太陽から地球までの距離)ほどの領域では、太陽風が星間物質の流れに衝突している。IBEXは、この境界で発生する衝撃波の構造や、衝撃波の外側で太陽風がどのような特性を見せるのかなどを明らかにするために観測を行う。

IBEXの主任研究員を務める、米・サウスウエスト研究所(SwRI)のDavid McComas氏は、今後もたらされる観測データについて次のように話している。

「太陽風が星間空間にぶつかる太陽系外縁部で、どのような相互作用が引き起こされているか、だれも見たことがありません。われわれはきっと驚くことになるでしょう。それは、初めて気象衛星からの画像が得られたときのようなものかもしれません」