カナダに落下した火球の破片、続々発見

【2008年12月8日 University of Calgary

11月20日、カナダの上空に明るい火球が現れたが、その火球を起こした天体の破片とみられる隕石が11月28日に見つかった。破片はその後も相次いで発見されていて、隕石の総重量は10tほどと見積もられている。


(Ellen Milley氏と隕石の画像)

Ellen Milley氏と隕石(提供:Grady Semmens)

(Hildebrand教授とMilley氏の画像)

Hildebrand教授とMilley氏と隕石(提供:Grady Semmens)

カナダのアルバータ州とサスカチュワン州では、現地時間11月20日午後5時半ごろ、夜空を昼間のように照らす火球が目撃された。そのようすは、数多くの防犯カメラなどにも収められている。

その明るさから、大気圏に突入して火球となった天体の一部は、燃え尽きずに地上に落下したとみられていた。そこで、カナダ・カルガリー大学のAlan Hildebrand教授を中心としたグループが落下予想地点の周辺で隕石を探している。目撃証言が多かったことから、落下地点はだいぶ絞られた。捜索が行われているのは、カナダのアルバータ州とサスカチュワン州の境界付近で、バザード・クーリーと呼ばれる地域の農地約24平方kmだ。

11月28日、カナダ・カルガリー大学の大学院生Ellen Milley氏は、凍った池の氷から隕石が顔を出しているのを発見した。その後2日間で30個ほどの隕石が見つかっていて、なかには、人の頭ほどの大きさで重さが13kgのものもある。

落下から10日あまりの間にこれほどの隕石片が見つかったことについて、Hildebrand教授は「多くの人から寄せられた目撃証言や防犯カメラに記録された映像がなければ、こんなに早く作業は進みませんでした」と感謝する一方で、「この天体について、落下する前の軌道を決定するために、われわれはまだ映像を必要としています」と映像提供の協力を呼びかけている。

Hildebrand教授によると、最初の隕石が発見された付近には1ヘクタール(0.01平方km)あたり約2,000個の破片が落下したと見積もられており、今後もっと大きな隕石が発見される可能性もあるという。