29日宵、日本上空に大火球が出現
【2006年3月31日 アストロアーツ】
29日20時24分ごろ、大火球が出現した。比較的晴天に恵まれた地域が多く、関東地方を中心に多くの人が目撃したようで、報道された各種ニュースによれば、各地の気象庁、天文台、消防などに問い合わせが殺到したという。
群馬県鬼石町にて、天体写真撮影中にこの火球に遭遇した星ナビ編集部スタッフによれば、火球は西の空からほぼ天頂を通過して、東に向かったという。また、オレンジ色で火の粉を散らしながら流れ、明るさは最大光度の金星の数倍ほどにもなったという。
火球の正体については、隕石の落下か、人工衛星などの大気圏突入かは現状ではわかっていないようだが、いずれにしてもこれほど明るい火球の出現はきわめてめずらしいだろう。
火球:流星の中でとくに明るく、マイナス等級に(金星より明るく)なるようなものを「火球」と呼ぶ。大火球の場合には、音を伴うものもある。しばしば、火球が流れた跡に「流星痕」という筋状の雲のようなものが残り、それが高空大気の移動につれて動いていくようすが見られる。(「最新デジタル宇宙大百科」より)