米国SF映画をケンタウルス座α星へ発信

【2008年12月22日 アストロアーツ】

12月12日、キアヌ・リーブス主演のSF映画「地球が静止する日」が全米に公開された。同じ日、この映画の内容が宇宙に向けて発信された。


「地球が静止する日」は、米国の人気俳優であるキアヌ・リーブスが主演するSF映画で、12月12日に全米公開された(日本公開は12月19日)。同じ日、映画の内容全110分が、ケンタウルス座α(アルファ)星(リギルケンタウルス/アルファケンタウリ)に向けて発信され、話題となっている。

発信を行ったのは、米・フロリダ州のディープ・スペース・コミュニケーションズ・ネットワーク(DSCN)と呼ばれる私設団体である。DSCNは2005年に設立され、放送エンジニアや通信分野のエキスパートからなるグループが運営している。その活動目的は地球外の知的生命との交信である。

映画が送信されたケンタウルス座α星は、太陽系にもっとも近い恒星系であり、地球から4.3光年の距離にある。三重連星で、実視等級は-0.01等と全天で3番目に明るい。

残念ながらこれまでに、この連星系に系外惑星は発見されていない。しかし、ある程度高度に発達した生命体がその星のまわりに存在していれば、4年後の2012年には、この映画を観ることができる。また、ケンタウルス座α星に到着するまでの間、映画の内容をのせた電波は、太陽系内のさまざまな場所で傍受することができるという。

なお、DSCNのウェブサイトでは一般から宇宙に発信するメッセージを受付けており、費用299ドルを払えば誰でもメッセージを送ることができる。

送信メッセージの容量は、デジタル画像なら5枚まで、音楽または動画ファイルなら2分以内、文章なら50文字以内で、メッセージの送信完了から数週間後には、送信の日時、使用された周波数、正確な座標などが記載された証明書が発行される。