若田宇宙飛行士とすばる望遠鏡の飛行記念品
【2009年3月17日 国立天文台 アストロ・トピックス(457)】
若田光一さんが搭乗したスペースシャトル「ディスカバリー号」で、すばる望遠鏡のスタッフが寄せ書きしたバナーがスペースシャトル公式飛行記念品として宇宙へ飛び立った。
アストロ・トピックスより
宇宙飛行士の若田光一(わかたこういち)さんが搭乗するスペースシャトル・ディスカバリー号が、アメリカ・フロリダ州のケネディ宇宙センターから、現地時間2009年3月15日19時43分(日本時間16日8時43分)に打ち上げられました。今回のディスカバリー号には、すばる望遠鏡のスタッフが寄せ書きしたバナーがスペースシャトル公式飛行記念品(Official Flight Kit; OFK)として搭載されています。
飛行記念品とは、宇宙飛行士の出身学校や所属学会等のメダルやバナーなどを記念品としてスペースシャトルに搭載するものです。
若田さんは、1996年1月のエンデバー号と2000年10月のディスカバリー号の2度、スペースシャトルに搭乗しています。2回目の飛行から約2年後の2002年5月、若田さんはハワイ島ヒロ市にあるハワイ観測所ヒロオフィスを訪問しました(詳細は、下記ウェブページを参照してください)。記念品の搭載は、この訪問が縁となったものです。
若田さんにとって3度目となる今回の宇宙飛行は、国際宇宙ステーションに約3か月間滞在する長期間のミッションです。その訓練に励む若田さんから、すばる望遠鏡の飛行記念品を持参したいという電子メールが、2008年1月にハワイ観測所広報室の布施哲治(ふせてつはる)さんの元へ届きました。
ハワイ観測所では、マウナケア山頂の写真を印刷したバナーにスタッフが寄せ書きをすることにしました。すばる望遠鏡スタッフの勤務地は、ハワイと日本の2か所に分かれています。まずはハワイ観測所ヒロオフィスのスタッフが2008年8月に寄せ書きをし、続いて東京都三鷹市にある国立天文台三鷹へバナーを郵送、日本のすばる室スタッフが同年9月に寄せ書きをしました。その後、茨城県つくば市の宇宙航空研究開発機構(JAXA)筑波宇宙センターを経由して、バナーはアメリカ航空宇宙局(NASA)に引き渡されています。
若田さんの帰還後、バナーはNASAからハワイ観測所ヒロオフィスへ返還される予定です。バナーの背景写真を撮影し、ケネディ宇宙センターで打ち上げを見守った布施さんは「ぜひ、ハワイ観測所を再訪問していただき、バナーにサインをお願いしたいと思います」と若田さんへメッセージを送っています。