赤外線天文衛星「WISE」がファーストライト

【2010年1月18日 NASA(1)(2)(3)

2009年12月に打ち上げられた赤外線天文衛星WISEが昨年末にファーストライトを迎え、初画像が公開された。またファーストライト後の調整も済み、予定どおり今月中旬に観測を開始した。


(赤外線天文衛星WISEのファーストライト画像)

赤外線天文衛星「WISE」のファーストライト画像。クリックで拡大(提供:NASA/JPL-Caltech/UCLA)

2009年12月14日に打ち上げられたWISEは、同月末に衛星のカバーが取り外され、ファーストライトを迎えた。

ファーストライト画像には満月の3倍以上の領域が撮影されており、りゅうこつ座にある約3000個の星がとらえられている。

また、WISEは、ファーストライトから2週間あまりで本格的な観測をスタートした。その観測画像の一部は今年2月に公開される。

WISEは、地球のまわりを回りながら11秒毎に静止画撮影を行う。全天をカバーする画像は、最終的に数百万枚という膨大な数となる。その画像から、小惑星をはじめ、質量が小さく自ら光り輝くことはない褐色矮星、さらに遠方で活発な活動を見せる銀河など、多くの天体が新たに発見されると期待されている。さらに、発見された天体のうちもっとも興味深いものが、ハッブル宇宙望遠鏡(HST)や赤外線天文衛星スピッツァーによって詳しく調べられる。

WISEの観測期間は9か月で、ミッションの終了は、低温維持装置用の水素がなくなる今年10月の予定だ。また、WISEの初期観測画像の公開は2011年4月、さらに全天体のカタログ化が完了し全天地図が公開されるのは、2012年の3月と見込まれている。