西村栄男さん、へびつかい座に今年2個目の新星を発見

【2010年2月22日 VSOLJニュース(235)】

静岡県の西村栄男さんがへびつかい座に新星を発見された。ベテラン天体捜索者である西村さんは、今年1月にもへびつかい座に新星を発見されている。


VSOLJニュースより

(著者:山岡均さん(九大理))

(西村栄男氏撮影のへびつかい座新星の発見画像)

西村栄男氏撮影のへびつかい座新星の発見画像。クリックで拡大(提供:西村栄男氏)

(板垣公一氏撮影の確認画像)

板垣公一氏撮影の確認画像。クリックで拡大(提供:板垣公一氏)

(門田健一氏撮影の確認画像)

門田健一氏撮影の確認画像。クリックで拡大(提供:門田健一氏)

へびつかい座は夏の天の川に近く、また広い星座なので、新星が多数見つかります。そのへびつかい座に、今年2個目の新星が出現しました。発見したのは静岡県掛川市の西村栄男(にしむらひでお)さん、これまで多数の新星を発見してきたベテラン捜索者です。

西村さんは、2月18.845日(世界時、以下同様)撮影のデジカメ画像から、9等級の新星を見つけました。13.84日には同じ位置に11等より明るい天体はありませんでした。多くの観測者によって新天体の実在が確認されています。その位置(板垣公一(いたがきこういち)さん測定)は、以下のとおりです。

  赤軽  17時26分32.08秒
  赤緯 -28度49分38.5秒  (2000年分点)
  新星周辺の星図

天体のスペクトルが、岡山理科大学のチーム(19.85日)、岡山県倉敷市の藤井貢(ふじいみつぐ)さん(19.86日)によって撮影されています。その結果、この天体は古典新星であり、鉄が多い部類のものであることが判明しました。今後の天体の変化が楽しみです。


へびつかい座の新星の位置

この天体を天文シミュレーションソフトウェア「ステラナビゲータ」で表示して位置を確認できます。ご利用の方は、ステラナビゲータを起動後、「データ更新」を行ってください。