最新の研究で、200万年ほど早まった太陽系の誕生年代

【2010年8月31日 ASU Center for Meteorite Studies

2004年に発見された隕石の分析から、太陽系の誕生がこれまで考えられていた年代より、最大で200万年ほど早かったとする研究成果が発表された。


(原始太陽系の想像図)

原始太陽系の想像図(提供:NASA/JPL-Caltech)

「NWA 2364」は、2004年に発見された1.5kgほどのコンドライト隕石の一種である。米・アリゾナ州立大学の研究員Audrey Bouvier氏と同大学の隕石調査センター(CMS)のMeenakshi Wadhwa氏は、この「NWA 2364」中の、カルシウムとアルミニウムを豊富に含む鉱物(方解石)を調べた。

両氏は鉛の放射性同位体206Pbと207Pbを使った年代測定を行い、その鉱物の形成年代が45億6820万年前であると結論づけた。両氏が調べた鉱物は隕石の中でかなり早い時期に形成される固体物であり、これまで計測された太陽系内の天体としては最古のものである。

今回の研究成果は、原始太陽とそのころ太陽を取り巻いていたちりの円盤の形成が、これまで考えられた年代よりさらに約30万年から最大で200万年ほど早く起きていたことを示している。

このような年代測定では、宇宙を化学的に調べて数十億年におよぶ太陽系形成の歴史を振り返ることができる。そのうえ、数百万年という単位で現象の起きたタイミングをも描き出すことを可能にしてくれるのである。