「あかつき」、金星周回軌道投入ならず

【2010年12月8日 JAXA

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、「あかつき」の軌道を推定した結果から、探査機が金星周回軌道に入ることに失敗したと発表した。


JAXAの金星探査機「あかつき」は、昨日金星の周回軌道に入るための噴射を開始した後、予定外の通信途絶が発生、その後予定より遅れて電波が受信された。

その受信電波の分析から、探査機がセーフモードホールドに入っていることがわかった。セーフモードホールドとは、探査機がコマのようにスピンを続けて姿勢を保っている状態である。

続いて、JAXAは本日午前11時から、現在の状況を説明する記者会見を実施。その場で「あかつき」の軌道推定の結果から、金星周回軌道への投入に失敗したことがわかったと発表した。

ただし、2016年以降に2度の金星再接近チャンスが訪れるということで、運用チームは今後も探査機を見守り続ける予定である。6年後の時点で金星までの距離は370万km。そのため、軌道を変えつつ再接近を迎えることとなる。気になる機体の損傷にいては、現時点ではとくに認められていない。またカメラなどの搭載機器は、今後試験を行って異常の有無が調べられるようだ。

なお、同機構では小野田所長を長とした調査・対策チームを設置し、現在周回軌道への投入失敗の原因について調査を進めている。