ペルーの電波望遠鏡が初受信成功 国立天文台など協力

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

【2011年3月2日 ペルーの電波望遠鏡を支援する会

2月25日、南米ペルーにある電波望遠鏡観測局の望遠鏡がファーストウェーブを受信した。半世紀以上前にペルーにわたった石塚睦さんと次男イシツカ・ホセさんの情熱、そして日本の天文界の協力が実を結んだ。


(電波望遠鏡観測所(シカイヤ)の画像)

ファーストウェーブを受信したペルーの電波望遠鏡観測所(シカイヤ)。2008年撮影(提供:ペルーの電波望遠鏡を支援する会)

ペルーのシカイヤにある電波望遠鏡観測所の32m電波望遠鏡が、2月25日12時3分にファーストウェーブを受信したとの報告がイシツカ・ホセさんから「ペルーの電波望遠鏡を支援する会」に届いた。

日本の国立天文台で電波天文学を学んだイシツカさんは、ペルーの電話会社で不要になったパラポラアンテナを電波望遠鏡として再利用する計画を2002年にスタート。通常よりはるかに低コストで建設するまたとないチャンスを活かすため、国立天文台などが募金や機器製作で協力し、2008年の観測所開所にこぎつけた。

イシツカさんのペルーの天文学への情熱は、父である天文学者、石塚睦(いしつかむつみ)さんから2代で受け継いだものだ。1957年にペルーにわたった石塚さんは、建設した太陽コロナ観測所が観測開始3ヶ月後にテロ組織に破壊されるなど数々の労苦を味わいながらも現地にとどまり、現在に至るまで天文学普及に力を注ぎつづけている。