小さな銀河に星の一生絵巻 銀河NGC 4214

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【2011年5月17日 ESA/Hubble

1000万光年かなたにある銀河NGC 4214では、若い星の集団が自らを生みだしたガス雲を吹き飛ばし、その青白い輝きが姿を現しつつある。ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた美しい画像を紹介しよう。


(ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた銀河NGC 4214の画像)

ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた銀河NGC 4214。クリックで拡大(提供:NASA, ESA, and the Hubble Heritage (STScI/AURA)-ESA/Hubble Collaboration)

NGC 4214は、りょうけん座の方向約1000万光年かなたにある不規則銀河だ。銀河としては小さいが、生まれたての星から古いものまで、星の一生のいろいろな段階をかいま見せてくれる興味深い観測対象である。

画像中央の赤く小さな袋状のガス雲をよく見ると、青白い星が内部にぎっしりとつまっている。ガス雲から生まれた若く活発な星が1万〜5万度という高温で光を放ち、星から吹くガスが周りの雲を吹き飛ばすことにより、このような形状が作られている。赤い色は、星が放つ紫外線によって電離(イオン化)した周囲の水素ガスのものだ。こうして周囲のガスが吹き飛ばされていき、星の材料が失われると、やがて星の生成が収まっていく。

若い星が主役となっているこの画像には、年老いた赤色巨星たちも赤い点状となって見えている。こうした星がやがて最期を迎えた時に宇宙空間に遺すガス物質が材料となってふたたび新しい星々が生まれ、命のサイクルが続いていく。

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