地球に大接近した小惑星2011MDの画像
【2011年6月29日 レマンツァッコ天文台/AARTScope Blog】
6月27日から28日の夜にかけて地球に大接近した小惑星2011 MD。直径5m〜20mと非常に小型な天体ながら、その動きを見事にとらえた観測画像が公開されている。
6月22日に発見された小惑星2011 MDが、6月27日から28日の夜にかけて南アフリカ・南極大陸付近の上空1万2300kmという近距離で通過した。接近の様子を、オーストラリアとアメリカで観測した画像がそれぞれ公開されている。
1枚目の動画は、イタリア・レマンツァッコ天文台のチームが豪・サイディングスプリング天文台の2mフォークス南望遠鏡(FTS)を使って撮影したものだ。撮影時刻は27日9時30分UTC(日本時間28日18時30分)ごろで、明るさは14.5等だったという。
2枚目は地球最接近の約10時間前、26日7時UTC(日本時間同日16時)ごろにとらえたものだ。アマチュア天文家のPeter Lakeさんが「遠隔望遠鏡ネットワーク」(GRAS)のサービスを利用し、米・ニューメキシコ州の20インチ望遠鏡での撮影に成功した。
また3枚目は、同じくニューメキシコ州のリモート観測施設を利用して6月24日に撮影されたものだ。同施設を利用して彗星などの観測を行っているSEDNAさんより、投稿画像ギャラリーにお送りいただいた。
今回の2011 MDの通過は静止衛星軌道の内側という大接近だったが、今年2月4日には小惑星「2011 CQ1」が5,480kmというさらに近いところを通過しており、現時点でこれが(落下したものを別として)小天体の地球最接近記録とのことだ。