太陽観測衛星SOHOのカメラでラヴジョイ彗星を見よう

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【2012年12月12日 SOHO

11月27日に発見されたラヴジョイ彗星(C/2011 W3)が12月14日ごろから、インターネットで公開中の太陽観測衛星SOHOのカメラ画像の視野に見えると予測されている。ひょっとすると、大増光のようすを目撃できるかもしれない。


12月2日に地上から撮影されたラヴジョイ彗星

12月2日に地上から撮影されたラヴジョイ彗星。約40分間の間にぼんやりとした緑色の彗星(印の延長線の箇所)が移動しているのがわかる。クリックで拡大(提供:Rob Kaufman (Bright, Victoria, Australia))

2003年2月にLASCO C3の視野内に現れたニート彗星(C/2002 V1)の画像

2003年2月にLASCO C3の視野内に現れたニート彗星(C/2002 V1)。ラヴジョイ彗星はどのように見えるだろうか(提供:SOHO/LASCO)

12月16日に近日点を通過するラヴジョイ(C/2011 W3)彗星は、先月末にオーストラリアのテリー・ラヴジョイ(Terry Lovejoy)氏が発見したクロイツ群彗星だ。

多くの彗星の中で軌道要素がよく似たものは「群」としてまとめられ、そのうち太陽をかすめるようにして近日点を通過するグループのひとつを「クロイツ群」と呼ぶ。明るく、しかも長い尾を伸ばす大彗星が多いのが特徴で、1965年の池谷・関彗星(C/1965 S1)などが有名な例だ。

ラヴジョイ彗星(C/2011 W3)は現在さそり座からへびつかい座付近の方向にあり、発見当初の13等台から、12月7日には9等台にまで明るくなっているようすが報告されている。日本で直接見るのは難しいが、14日ごろに太陽観測衛星SOHOLASCO(広角分光コロナグラフ)C3の視野に入ってくると予測されており、SOHOのウェブサイトの公開画像でほぼリアルタイム(数時間の時間差がある)に見られるようになるだろう。

これまでにも多くの明るい彗星がLASCO C3の視野内を通り過ぎていったが(下記〈関連ニュース〉参照)、ラヴジョイ彗星はどのように見えるだろうか。最大でマイナス6等前後にまで達するとの予想もあり楽しみだが、ラヴジョイ彗星は小ぶりであるため、太陽接近時には消滅する可能性が高い。画像を見られるサイトは下記〈関連リンク〉を参照のこと。


ステラナビゲータでラヴジョイ彗星の位置と見え方をシミュレーション

ラヴジョイ彗星の見え方をシミュレーションした画像

ラヴジョイ彗星の位置と見え方のシミュレーション。数字は日付(世界時0時)で、12時間ごとの位置を表している。16日0時には太陽の向こう側にある

ステラナビゲータでラヴジョイ彗星がLASCO C3の視野内でどのように見えるかシミュレーションできるスクリプトを、「コンテンツ・ライブラリ」で公開しました。ステラナビゲータ(Ver.8以降)をご利用の方は、「コンテンツ・ライブラリ」からファイルをダウンロードしてご利用ください。

〈参照〉

〈関連リンク〉

〈関連ニュース〉