世界最南端の高高度雲を観測か?
【2012年1月6日 河北新報/空のkiroku 雑記帳2】 1月7日 追記あり
仙台市天文台の小石川正弘さんが昨年末の12月29日早朝に夜光雲と思われる雲を撮影した。夜光雲は高度80km付近でできる雲で、主に高緯度地域で見られるものだ。仙台のほか、類似の雲が横浜や横須賀などでも観測されたとの情報もある。
夜光雲とは高度80km付近という非常に高いところにできる雲のことだ。日の出前や日没後の太陽に照らされて青白く輝くことが知られており、主に極近くの高緯度地域で夏に見られる。
その夜光雲と思われる雲を、仙台市天文台の小石川正弘さんが12月29日午前6時ごろに撮影したとして河北新報で報道されたが、それ以外にも首都圏地域を中心に、類似の雲が撮影されていることがわかった。これらの画像は「空のkiroku 雑記帳2」にまとめられている。
夜光雲に見える現象としては他に真珠母雲(極成層圏雲)というものもある。夜光雲が高度80km付近の中間圏でできるのに対し、真珠母雲は高度15km〜30kmの成層圏でできる。どちらも、高度10km以下でできるような通常の雲と比較して非常に高いところでできるが、その高度や発生メカニズムは異なる別種の雲とされる。
真珠母雲も高緯度地域で見られるものであるが、こちらは主に冬に見られる。夜光雲と真珠母雲を地上から区別することは難しいが、いずれにしても世界最南端の観測である可能性が高い。報告例が多くなればどちらであるのか、はっきりするかもしれない。12月29日の朝に空の写真を撮影された方がいれば、画像を見直してみてはいかがだろうか。
(1月7日追記分)
タイトルおよび本文中に「世界最南端」と書きましたが、いずれも正しくは「北半球における最南端」です。本来の最南端記録は、南極です。