欧州の宇宙補給機、5号愛称は「ジョルジュ・ルメートル」

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【2012年2月17日 ヨーロッパ宇宙機関】

国際宇宙ステーションに物資を運ぶヨーロッパの宇宙補給機の、5号機の愛称がベルギーの天文学者にちなんで「ジョルジュ・ルメートル」となった。2013年以降に打ち上げ予定となっており、来月には3号機「エドアルド・アマルディ」がISSに向かう。

ジョルジュ・ルメートル

司祭でもあったルメートルは、ルーヴェン・カトリック大学の教授として教壇に立っていた（提供：Katholieke Universiteit Leuven）

ATV1号機

2008年9月、ISSから切り離された後に船内から撮影したATV 1号機「ジュール・ヴェルヌ」。不要物を積んで大気圏に突入し、燃え尽きて役目を終える。クリックで拡大（提供：NASA）

国際宇宙ステーション（ISS）に物資を運ぶヨーロッパの宇宙補給機ATVは、科学・技術・文化に貢献した人物にちなんで愛称がつけられる。来月3月9日に3号機「エドアルド・アマルディ」が打ち上げられる予定だが、早くも5号機の愛称が「ジョルジュ・ルメートル（Georges Lemaître）」と決まった。

1894年にベルギーに生まれたルメートルは、宇宙の膨張を示す「ハッブル定数」の最初の発表者として知られる（参照：天文ニュース「歴史に埋もれかけた、宇宙膨張の真の発見者」）。ベルギーの科学政策担当相Paul Magnette氏は、「私と同じシャルルロワの町で生まれた偉大なベルギーの科学者がこのように称えられて大変嬉しい。彼の業績が忘れ去られることなく生き続けていることの証左だ」とコメントしている。

ATVは2008年から1年半ごとに毎回6tもの物資をISSに届けている。大気抵抗で徐々に高度が下がるISSを時々噴射で押し上げるという役割もある。「ジョルジュ・ルメートル」はベルギーの研究者のための実験器具も運ぶ予定だ。由来となった本人の功績同様、新たな知見を人類にもたらしてくれることだろう。

4号機「アルベルト・アインシュタイン」は2013年はじめに打ち上げが予定されており、「ジョルジュ・ルメートル」の出番はそれ以降となる。

ATV一覧
番号愛称備考打ち上げ
1ジュール・ヴェルヌフランスのSF作家。「月世界旅行」など2008年
2ヨハネス・ケプラードイツの天文学者。「ケプラーの法則」など2011年
3エドアルド・アマルディイタリアの核物理学者。「遅い中性子」研究など2012年予定
4アルベルト・アインシュタインドイツ生まれの物理学者。「相対性理論」など2013年予定
5ジョルジュ・ルメートルベルギーの天文学者

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