旬の惑星から流れ星まで、ゴールデンウィーク注目の天文現象を紹介
【2013年4月22日 アストロアーツ】
もうすぐゴールデンウィーク。自宅や旅行先でゆっくりと空を眺めたいという人のために、期間中に手軽に見られる星や天文現象などの見どころを紹介します。
■ 気軽に見られる1等星たち
日が沈んだ後の西の空には、見おさめとなる冬の星座が勢ぞろい。オリオン座やその周りにある星座の明るい1等星をつないだ「冬のダイヤモンド」に木星をトッピングしたぜいたくな輝きは、まだまだ圧巻です。
これらの星々が西の空に消え、次の冬にまた現れるころ、木星はふたご座のカストルとポルックスの方に近づいて、引き続き存在感を示すことでしょう。
東の空の高いところには、オレンジ色に輝くうしかい座のアルクトゥールス。これを時計盤の中心とすると、4時の方向におとめ座のスピカ、5時の方向には土星が見えます。
土星はちょうど、これからが見ごろ。地球から見て太陽と正反対に位置する「衝」を4月29日に迎え、この前後にはひと晩中夜空に見えています。【特集】土星を見よう(2013年)では、土星の見つけ方や天体望遠鏡での注目ポイント、環の見え方の変化について詳しく紹介しています。
少し遅い時間帯になると、夏の星々も現れます。赤いアンタレスを中心とするS字形のカーブが特徴的なさそり座、天の川をまたぐ1等星のベガ、アルタイルとデネブでできる「夏の大三角」を眺めながら、ひと足お先に夏気分。4月27日〜30日ごろには月がさそり座の横を通過します。
沖縄や以南の海外などに出かける人は、南天ならではの星空を味わってみましょう。現地時間午後10〜11時ごろ、南の空にまっすぐ立った南十字星が見られます。また南半球では、オリオン座などの北の星座がさかさまに見えます。
■ 注目の現象
3月10日に太陽に最接近したパンスターズ彗星(C/2011 L4)。太陽や地球から遠ざかるにつれて5〜6等級まで暗くなっていますが、北の空でひと晩中見える周極星となり、位置としてはむしろ見やすくなっています。大型の双眼鏡や天体望遠鏡で観察する機会があれば、ぜひ見てみましょう。詳しくは「【特集】パンスターズ彗星(C/2011 L4)」で。
5月5日から6日にかけての夜は、みずがめ座η(エータ)流星群がピーク。出現数はそれほど多くないと予想されますが、みずがめ座が昇ってくる未明ごろに空を広く見わたせば、東の方角からあちらこちらに飛ぶ流れ星が見つけられるかもしれません。
少し長めに休みをとってオーストラリア周辺へ、といううらやましい人は、昨年5月に使った日食めがねをどこにしまったか今すぐ思い出しましょう。5月10日の朝に日食が見られるかもしれません。オーストラリア北部などでは金環食、南太平洋全域では部分食が起こります。
■ 星を見に出かけよう
気軽に星を見るといってもどこでどんな風に見ればいいのかわからない。そんなときは、近くのプラネタリウムや、科学館での観望会などに出かけてみてはいかがでしょう。安全で気軽に天体望遠鏡でお目当ての天体を見たり、解説を聞いたりすることができます。ウェブサイト「PAONavi」では、天文施設や開催イベントの情報を探せます。
空が暗く星がきれいに見えるロケーションでは、天体望遠鏡などが用意されたホテルやペンションもあるので、そういった宿泊施設もおすすめです。
また星空観望の際には、スマートフォンアプリがあるととても便利です。iPhone用「iステラ」、iPad用「iステラ HD」、Android用「スマートステラ」、Windows 8用「M+Stellar」では、見たい天体を実際の空で探したり、旅行先の場所や日時に設定してどんな星が見えるかを確かめたりすることができます。
今年限りの思い出の星空を、ぜひこのゴールデンウィークに見つけてください。