撮影ブースは太陽系 土星と水星から地球を同日撮影
【2013年7月23日 NASA】
NASAの探査機が19日、水星と土星からそれぞれ地球を撮影した。土星の環や月とともにとらえられた地球の姿は、太陽系の広大さや、人類の宇宙探査の道のりを実感させてくれる。
7月下旬ごろ、宵の南西の空でおとめ座のスピカと並んで輝いている土星。その土星の観測を2004年から行っているNASAの探査機「カッシーニ」が、7月19日に土星と地球との2ショットを撮影した。
土星を周回するカッシーニは、太陽から見て土星の裏側(画像2枚目)に回りこんだタイミングで、土星の美しい環と青い点のようなふるさと地球を見事に1枚に収めている。土星の公転軌道は太陽から地球までよりもおよそ10倍遠くにあり、撮影時の地球からの距離は約14億kmあまり。ここに見えている地球の姿は、撮影時よりも約80分前のものだ。
この画像を拡大すると、地球とその衛星、月の2ショットがとらえられているのが見える(画像3枚目)。人類がこれまでにその足跡を残したもっとも遠い天体が、広大な太陽系の中ではほとんどくっついているように見えるほどすぐそばにあるのがわかる。
この撮影と同日には水星探査機「メッセンジャー」も、太陽系の内側から見た地球と月の2ショットをとらえている(画像1枚目右)。
「太陽系の内側と外側、はるか彼方の2つの惑星から私たちの地球を同じ日にとらえた画像を見ると、惑星探査技術がここまで来たかという思いがします」(「メッセンジャー」チームのSean Solomonさん)。