いるか座新星はいるかな? 双眼鏡で見てみよう

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【2013年8月19日 VSOLJ(日本変光星観測者連盟)、日本変光星研究会

8月14日に発見されたいるか座の新星は、4等台をピークに増光と減光を繰り返しており、目が離せない状況が続いている。明るさ、位置ともにこれほど見やすい条件の新星は38年ぶり。変光星観測者のグループでは、双眼鏡での観察や、撮影による光度記録を呼びかけている。


「いるか座新星はいるかな? みんなで光度曲線をつくろう」キャンペーン

主催:VSOLJ(日本変光星観測者連盟)、日本変光星研究会

いるか座の新星の明るさ変化

いるか座の新星の明るさ変化。クリックで拡大(vsolj-obsに報告されているデータより作成)

いるか座の新星の位置

いるか座の新星の位置(挿入図中×印)。や座の3.5等星と双眼鏡の同一視野でとらえられる。クリックで拡大(「ステラナビゲータ」で作成)
→ 詳しい星図はこちら

いるか座新星は2013年8月14日に、山形県の板垣公一さんにより6.8等で発見された新星です。15日夜に5.5等、16日夜には4.4等に達し、17日夜には4.9等に減光しました。しかし、18日夜には再び4.8等に増光しました。毎日毎日明るさが変化し、予測できないところが新星観測の楽しみです。

新星が肉眼でも見える明るさになることは珍しく、2007年のさそり座新星(極大:3.8等)以来、6年ぶりになります。しかし、この時は2月の寒い時期の明け方だったので、見ることのできた方は多くありませんでした。

今回は夏の空にほぼ一晩中見え、条件としては1.7等まで達した1975年のはくちょう座新星以来38年ぶりの絶好の機会になります。多くの方にご覧いただくと同時に、この新星の明るさを観測していただき、新星の明るさの変化、宇宙の神秘を体験していただきたいと思い、「いるか座新星はいるかな? みんなで光度曲線をつくろう」キャンペーンを立ち上げました。

新星は、いつ、どのような変化をするかわかりません。暗くなったと諦めていたら、数日後に明るくなるかもしれません。キャンペーンでは、随時明るさの変化や皆様の驚きの声を報告しますので、皆様の観測報告・ご感想をお待ちしています。


いるか座の新星の位置

この天体(「いるか座の新星2013(2013)」)を天文シミュレーションソフトウェア「ステラナビゲータ」で表示して位置を確認できます。ステラナビゲータを起動後「ツール」メニューから「データ更新」を行い、新天体データを取得してください。

また、新しいデータや番組をオンラインで入手できる「コンテンツ・ライブラリ」では、新星をわかりやすく×印で表示するための「新星(マークで表示)」ファイルも公開しています。あわせて活用してください。

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